日々の様子をお伝えします

2017年7月の記事一覧

平成29年度いわき地区特別支援教育研究会教育セミナーⅠ

7月28日(金)、福島県立いわき支援学校において「平成29年度 いわき地区特別支援教育研究会 教育セミナーⅠ」が開催されました。
 本校からも分科会の話題提供者として、また学習者として多くの教員が参加しました。
 話題提供をした分科会では「きこえにくいってどういうこと?~<きこえ>について知ろう~」というテーマでお話しさせていただきました。

        
                   【補聴器と人工内耳について】

 話しを聞いてもらうだけではなく、実際に補聴器をつけてどのように聞こえるか、また、耳に指で栓をしてテーマに沿って話しをしてもらいました。

 体験を通しての感想
口形がにていることばの読み取り(はし・はち・はり)
・母音が同じ言葉は口形だけ見ると全て同じように見えた。
・子音は読み取れない。
・集中して見ていたのにわからない。ずっと集中しなければと思うと辛い。
・思ったより、音に頼っているということがわかった。
1対1での会話
・話す側の口の動かし方などに配慮が必要と感じた。
・会話を楽しむというより分かろうと必死になる。
・話ができるとうれしくなる。
・1対1で話すことに集中しているので、他の人から話かけられたら分からないと思った。
集団での会話
・みんながなぜ笑っているのか、うなずいているのか分からず、寂しい、取り残された気持ちになった。
・話しが分からず適当に返事をすることがあった
・ジェスチャーがあると分かりやすかった。
・聞こえる子だけが通じているようで、聞こえない子は寂しい思いをしているのかもしれないと思った。



【グループ内での感想発表】

この後、難聴の教員から「健聴者にありがちな誤解」について4つ、話をしてもらいました。

<健聴者にありがちな誤解>
①補聴器をつけていれば、何でもみんなと同じようにきこえている。
②みんなと同じように行動できているから困っていることはない。
③補聴器をつけていれば、どこからの音でもきこえている
④音声言語(はなしことば)でコミュニケーションできるので、だれとでも、どんな場面でも通じ合える。


 これらの誤解を解消し、子どもたちがより分かりやすい生活や授業が受けられるようにするためには、どんなことが事が必要かについても考え話し合いました。その内容は以下の通りです。

①について
・「ゆっくり」話し、時間や活動のゆとりをもってできるようにする。
・理解して行動できるような配慮(文字・実物・絵)をし、見通しがもてるようにする。
・本人が伝えられる環境作りと、意思表出するための手段を伝える。
②について
・「いつまで」「どのくらい」「誰と」などの内容を見通しがもてるよう視覚化(文字・絵)で表示・提示する。
・話し合い活動のときは、書いて知らせる。
・話す人は、「ゆっくり」「はっきり」「ジェスチャー」を交えて話す。
③について
・スピーカーの位置の確認。
・座席の位置に配慮する。(左右どちらの聴力がよいか、全体を見渡せる位置か)
・緊急時の約束事を決めておく。
④について
・短いことばで指示したり、話したりする。
・本人が分かっているか、伝わっているかどうか確認の方法に工夫が必要。
・文字や絵などの視覚支援があるとよい。
・話しのポイントを視覚化する。

 2時間半という時間ではありましたが、参加者が子どもの立場になって感じたり、今後どのように関わっていくかを考えたりする、とでもいい時間となりました。

 受講できなかった方々、もっと具体的で詳しい話が聞きたいという方、お子さんの聞こえが気になる保護者の方など、いつでも本校の地域支援センター「みみラらんど・いわき」の職員をはじめ、全職員がバックアップさせていただきます。お気軽に、ご相談ください。

福島県立聴覚支援学校平校内 
     地域支援センター「みみらんど・いわき」
     電話 0246ー34-2202
        FAX 0246ー34-5137

平成29年度福島県特別支援教育研究会・言語障がい教育専門部研修会

 7月26日福島県立聴覚支援学校郡山本校において、「平成29年度 福島県特別支援教育研究会・言語障がい教育専門部研修会」が開かれ、平校の職員も研修会に参加してきました。

      
 午前は、3つの分科会(「主体的な学びに関して」「豊かなコミュニケーションに関して」「自己を見つめ、社会生活を見据えたコミュニケーション」)に分かれて学習会が行われました。
 午後には信州大学から教職支援センター教授である庄司和史先生をお迎えして「聴覚障がい教育における話し合い活動について」の講演をいただきました。
 講演会では、幼児期の言語の発達過程や特徴、また、小学部以降での口声模倣(言われた言葉を真似て言う)の意義や指導する上で大事なことをお話しいただきました。

<指導する上で大事なこと>
①聴覚活用を重視し、聞こえやすい環境でことばをかける
②歯科雨滴に、互いの口元や表情、身振り、手の動きなどが見えやすいように注意すること
③多語文にこだわらず、できるだけシンプルに置き換える。
④曖昧なこと、はっきり分からないことは、無理しない。
⑤継続したやりとりの中で、言葉に置き換えること。


 さらに、聾学校(聴覚支援学校)の課題もお話しいただき、一同、課題解決のために一人一人がやらなければならないことを確認する場ともなりました。

 講演会の最後に聞いた『一番大事な専門性は「やる気」である。やろうと思ったら明日からでもできる。その、やる気が大事なんだ』と言う言葉が胸に刺さりました。
 
 この研修を活かして、2学期の指導にあたりたいと思いました。

校内ミニ学習会

 7月25日(火)研修部の教員が講師となり、ミニ学習会を行いました。
 第一回の今回の学習は、「子どもの聞こえにくさを体験し、情報保証の大切さを知る」と言う内容で行われました。
 始めに授業の一場面を想定し、体験を行いました。
 まず二人組になり、一方の人は、難聴者役(ヘッドホンをして周囲の声が聞こえないくらいの大音量を耳から入れ)、もう一方の人は情報保証役(授業や会話の内容を紙面に書き起こす人)になりました。

【先生を見て話を聴いたり、情報保証を見て確認しながらの話し合い】

テーマは、「夏祭りの出し物」について。
 グループで何をやりたいかを話し合い、話し合いでの内容を発表すると言う流れで進みます。また、グループから吸い上げた出し物をどのように運営するか、だれが準備をするか、出し物をする時間は何時からにするか、などを話し合いました。
(グループ学習→一斉指導)
 
 結果→<難聴役>の先生からは、
       ・ゆっくり話してもらうと分かりやすかった。
       ・全体の話し合いになると誰が話しているかわかりにくかった。
       ・ずっと集中して見る(聴く)ことが大変だと言うことが分かった。
       ・ジェスチャーや手話を入れてもらえると話がわかった。
    <情報保証>の先生からは
       ・先生から子どもたちへの質問を続けて行ったとき、誰がなんと
        言ったのか、スピードが速くて書いて伝えることが難しかった。
     
と言う、感想がでました。
 
 次に、役割を交代して「夏休みにしたいこと」というテーマで話し合いをしました。(一斉指導)
 
 結果<難聴役>の先生からは、
       ・みんなでの話し合いはどこを見ていいかわからなかった。
       ・手を上げてから話してもらうと誰が話しているか分かったと思う。
       ・積極的に手を上げられなかった。
       ・集中力が途切れてしまった。
    <情報保証役>の先生からは
       ・伝わったかどうか聞き直す必要性があると感じた。
       ・要点を絞って書かないと話について行けない。
       ・全部は伝えられない。

という、感想がありました。
 
 まとめ
〇子どもたちは分かる言葉やキーワードを手がかりに話の内容を推測している。その言葉を獲得するのには、経験が大事。
〇人によって言葉のとらえ方の得手不得手がある(口話を読み取れる、文字があるとわかる、手話で読み取るなど)ので、難聴者が分かりやすい方法で伝える。
〇手話の技術の向上をはかる。
〇情報の受け取り方、伝え方を教える。
〇短い時間で覚えやすくして教える。
〇自分で調べることができないことは教える。

 今回の校内ミニ学習会では、聴覚支援学校の教員として、
子どもの聞こえにくさを体験し、情報保証の大切さを再確認する場となりました。

 不定期ではありますが、このようなミニ学習会を年間を通して実施し、教員の専門性を高めていきます。

七夕子供笹飾りコンテスト

 夏休みに入る前、幼稚部では「第15回平七夕子供笹飾りコンテスト」に七夕飾りを出品するために吹き流しを制作しました。
 吹き流しは、子どもたちが大好きなアンパンマンとコキンちゃんにしました。お花紙をたくさんくさん丸めて丸めて丸めて…。
【お花紙を丸める様子】

 そして、顔の形の張り子に貼り付けます。

【アンパンマンの張り子にお花紙を貼り付ける様子】

 「くるくる」「ぺったん」「べたべた」など、擬態語をたくさん使って制作しました。先生にもちょっと手伝ってもらいましたが、かわいらしいアンパンマンとコキンちゃんが完成しました。

 
 平七夕祭は8月6(土)・7(日)・8(月)日の三日間。展示場所は平本町通り丸伊(まるい)酒店前です。ぜひ、足を運んでご覧ください。

第1学期終業式

 本日、幼稚部・小学部の1学期終業式が行われました。
 式では、分校長から夏休みの過ごし方についての話がありました。担任からも常々話しを聞いているのですが、分校長からも同じ内容の話を聞き、「先生みんなが同じこと言うんだ。そうか、大事なことなんだ」と納得して聞いている様子でした。

      
    【「早寝・早起きをしましょう」】

    
【「午前中の涼しい時間に勉強や手伝いをするといいよ」】

 生徒指導担当の教員からも夏休みの過ごし方について話がありました。  

【安全に楽しく夏休みを過ごすためのおはなし】

1つめは「規則正しい生活をしよう」
2つめは「事故に気をつけよう」
3つめは「補聴器の点検を毎日しよう」
とのはなしがありました。具体的にはどういうことなのかといった説明を、神妙な面持ちで聴く児童が多くいました。
 
  夏休みにしかできないような体験をたくさんして、
家族の協力を得ながら安全で楽しい休みになるといいですね。

トマトの収穫祭をしました

 小学部2年生の生活、「野菜を育てよう」という学習の中で児童がトマトを選び育ててきました。ミニトマトではないので、「元気に育つか」「トマトの実がなるか」不安ではありましたが、毎日水をあげて世話をしてきました。
 終業式前日である昨日、赤く実ったトマトを使ってピザを作りました。収穫したトマトはとても甘く、生で食べてもとてもおいしかったのですが、児童がみんなに食べてもらいたいとの願いでピザにすることにしました。
 ピザを作るときには、簡単な手順表を読み、進めていきました。


       
    【収穫したトマトを使ってのピザ作り】

 ピザが完成すると、小学部の全員を呼んできて、一緒に食べました。みんなからは「おいしい」との感想が聞かれ、うれしそうにしていました。そして、次の野菜を育てた時にも、ごちそうを振る舞う約束をしました。育てて嬉しい、振る舞えて嬉しい時間となりました。
 2学期には、いったいどんな野菜を育てるのでしょうか。今からごちそうが楽しみです。

パン屋さんに行きました!

 7月12日、幼稚部の2名でパン屋さんに行ってきました。継続して行ってきたパン屋さんごっこの総まとめです。
 二人は、大好きなアンパンマン、ドキンちゃんのパンを選び、自分でお金を払う経験をしました。


【パン屋さんでおかあさんと一緒に】

 パン屋さんを後にし、近くの公園で買ってきたパンを早速食べました。大好きなキャラクターパンを目の前に、二人はとても喜んでいました。


【パン屋さんの近くの公園で「いただきまーす」】

 さて、自分で作ったパンと、パン屋さんで買ったパンは、どちらがおいしかったかな。 

水泳の授業が始まりました

 小学部では、体育の時間に草野小学校のプールをお借りして水泳の学習も進めています。10日、月曜日が本年度、第1回目の授業となりました。
 新一年生もいることから、注意事項などを確認してから出発しました。

 プールの中では、人工内耳や補聴器をつけていられないので、先生の手話や口形を逃さずよく見ることが重要になってきます。経験のある上学年の児童は、「これが終わったら先生からの話がある」と予想をつけて時々先生の方向を見ることがありますが、まだ慣れない下学年の児童は友達や先生から注目するよう促されることもあります。「先生の話をよく見る、よく聴く」ことは安全に楽しく学習するために毎回確認される事項です。

 
  【視覚支援を行いながらの学習】

 初回は、みんなが水に慣れるよう、なじみのある『貨物列車』をやったり、先生がつくったトンネルをくぐったりして楽しみました。

 
【『貨物列車』じゃんけんで勝った人の後ろに負けた人がつながります】

 水泳の学習は能力に応じて9月初旬まで続きます。

七夕お楽しみ会

 七夕の前日ではありますが、七夕お楽しみ会が開かれました。

 まず、会の始まる前にみんなが作ってきた飾りを笹に飾り付けました。司会進行は5年生が務めました。

 七夕のお話を聞いた後、願い事の発表がありました。

   【七夕のお話】

 願い事の発表では、事前に書いた短冊を読み上げました。お願い事は次の通りです。
「アリエルに会いたい」「フィンランドに行ってムーミンに会いたい」「ブロックを長くつなげたい」「プールに入りたい」「ザリガニをたくさん育てたい」「速く走れるようになりたい」「ピザ屋さんになりたい」「将棋が強くなりたい」「ディズニーランドに行きたい」「パティシエになりたい」「hikakinに会いたい」「大工さんになりたい」

 【願い事の発表】

 願い事の発表の後はゲームを行いました。今年のゲームは「花いちもんめ」です。6年生がやり方の説明をしてくれ、ゲームの始まりです。チームで誰が欲しいかを相談して決めました。ゲームを進行する中で上級生が下級生への気配りをしたり、下級生は上級生にリードされてたりして楽しく進めることができました。

 【ゲーム『花いちもんめ』】


         【記念撮影】
 
 最後にプレゼントをもらい、子どもたちは目を輝かせていました。

「子どもたちが、毎日の学習や家庭での手伝いを頑張ることで、願い事が叶いますように」

「パン屋さんごっこ」

 幼稚部では友達を意識したやりとりを発展させるため、現在は総合活動の時間に「パン屋さんごっこ」をしています。
 パン屋さんを開くために、粉をこねるところから始めました。丸めたパン生地にアンパンマンの顔のパーツをつけて、オーブンで焼きました。本物の"アンパンマン"ができました。

      【アンパンマン作り】


     【アンパンマンの完成】

 小学部の子どもたちにお客さん、一方、幼稚部の子どもたちはパン屋さんに変身し、「あんぱんまん」「どうぞ」などと、やりとりのれんしゅうをしています。


    【パン屋さん練習】

 今後は、実際にパン屋さんに行って買い物をしてくる予定です